【授業のテーマ】
国際金融論、国際マクロ経済学の基礎を勉強します。国際金融論では為替レートの決定理論を勉強した上で、為替介入の効果や現在の国際通貨体制の問題について考えます。国際マクロ経済学では、国際収支表の見方や経常収支と国内経済との関係について理解します。国際経済学科生対象のため、基本的な国際金融用語を英文でどう表現するかも勉強します。
【授業の到達目標】
国際収支表を理解し、経常収支、資本収支の内容を説明できる。為替レートの決定要因から、現在の為替レートの動きを説明できる。為替レートの適正水準について説明でき、現実の為替レート水準について議論できる。統一通貨や通貨危機など、国際通貨体制における問題を議論できる。基本的な国際金融用語を英文で表現できる。
【授業の概要と方法】
基礎理論の部分は、世界的に定評のあるテキストの内容にほぼ従って、パワーポイントを用いて講義を行います。また、日本独自の背景があるものは、実際の日本の資料を用います。毎回の授業では、キーワードや数式グラフなどを自分で書き込む形の空白のある配布資料を配布します。授業支援システムを利用して、6回の練習問題(英文の練習問題を含む)を解いてもらい、理解を深めます。
[参考文献]
Krugman, Obstfeld, and Melitz International Economics: Theory and Policy, 9th edition, Global Edition, Pearson, 2011
クルグマン・オブズフェルド(山本章子訳)『クルーグマンの国際経済学 理論と政策 下 金融編』ピアソン、2011年、(第8版翻訳)
高木信二著「入門国際金融(第4版)」日本評論社、2011年
[年鑑講義計画]
[第1−2回] 国民所得勘定と国際収支(1):国際収支表の見方と国際収支の概念 [第3回]国際収支と国民所得勘定(2):貯蓄・投資と経常収支(ISバランス論) [第4−5回] 為替レートと外国為替市場:さまざまな外国為替取引 [第6−7回]短期の為替レート決定 :アセットアプローチ・効率的市場 [第8回] 長期の為替レートの決定:購買力平価説 [第9回] 外国為替介入:外国為替市場への中央銀行の介入 [第10回] 固定為替相場制:東アジアの通貨危機と通貨体制