産業集積論 シラバス

経済学部 馬場敏幸

 

a.      全体のテーマ: 

本講義では産業集積について事例と学説双方から理解を深めてもらいたいと考えている。

講義ではまず、具体的に幾つかの日本の産業集積の事例を紹介したい。それぞれの産業集積地でなぜ産業が誕生する土壌があったのか?どのようにして産業は誕生したのか?どのように産業は育まれたのか?そしてその後どのような経過をへたのか?現状はどうであるのか?などを日本あるいは世界の産業集積地について学んでいきたい。

また、幾つかの具体的事例を学んだ後、産業集積に関わる理論的系譜についても学習を深めたい。最後にアジアなど後発国の経済発展と産業集積形成の役割についても理解を深めてもらいたいと考えている。

 

b.      テキスト:特になし、参考図書 必要に応じて紹介。講義計画の4〜6は『アジアの裾野産業』(白桃書房)の内容で講義を行う。

 

c.       評価方法とその基準:テストによる評価が中心。状況により授業態度評価も加味。

 

d.      講義計画(進展状況などに応じ、講義の順番の前後もありうる)

 

1.    序(講義の進め方、講義に対する考え方など)

2.    日本の産業集積の事例

ü         大阪府:町工場の集積、東京都:アニメ産業集積

ü         新潟県:金属加工業の集積、岐阜県:IT産業の集積 

ü         その他

3.    産業集積の理論

ü         マーシャル、ウェーバー、ヴァーノン

ü         ピオレ・セーブル、スコット

ü         クルーグマン、ポーター 

ü         その他

4.    産業集積 アジアの経済発展とすそ野産業の役割の観点から

5.    産業集積の効果(調達・貿易バランス・開発・産業高度化などの観点より)

6.    アジアでの産業集積形成の試み(輸入代替工業化と国産車戦略より)

 

(予備:日本の産業集積の理論、欧米の産業集積地の事例、自動車産業の集積、電子・家電産業の集積、サプライヤーに関連する議論、他)