多摩サークル連合の顧問を引き受けたお人よしが勝手に出すニュース?

Common Sense ―顧問扇子―  Vol.4 : 2001年4月20日


<たまのはる!>
多摩の春! ドキドキするほどきれい!(玉でもまたでも張るでもないので誤解のないように!)…春の陽光に輝く初々しい新入生の顔。こいつをもっと美しく輝かせたい。いろんな失望が重なって、そいつがこわばって凍り付いてしまわないように。…そこで、こもんせんすの新入生歓迎号をお送りします。

<多摩サークル連合(多摩サ連)って何?>
多摩キャンパスの学生サークルの連合組織です。大学にはカリキュラムっていうものがあって、正規の授業がずらっと並んでます。でも、そっからはみだすような、やりたいこともいっぱい。そこで有志が集まり、学生サークルが生まれます。 …そんなサークルが、限りある大学のスペースをどう使うか、お互いで調整しあったり、もっとスペースがほしいな、と要求したりする。…学生部の窓口を通じて、大学の経営に責任をもつ理事会や、教育研究に責任をもつ教授会に対して。…授業だけが教育じゃないでしょ。小学校のときから課外活動があるじゃない。もっとサークル活動を応援してほしいんだ、っていうりくつです。

<学友会??>
みなさんは、授業料といっしょに、年に数千円ほどの学友会費を大学に支払っています。学友会は、多摩だけでなく、市ヶ谷や小金井キャンパスを含む全学の課外活動組織で構成されています。本来は、学生が自分たちでお金を出し合うところを、大学事務局が代わりに全学生から集めて、配分している、という形になっています。そこで、大学事務局には、そのお金が正しく課外活動をやってる組織(あやしい商売とか、だれかのポケットに入ってしまうのではなしに!)に配分されるようにする責任が生じてきます。 …その重ーい責任を負うのが、各組織の顧問となっているお人好しの(?!)教員たち。…毎年、時期になると、そんな顧問のハンコが押され、お金が動く…。ちなみに、2000年度の予算は8098.2万円。ほとんど1億円近い金額!!

<新しいハンコ>
そんな顧問のひとりがわたくしであります。去る1月21日、2000年度学友会費の補正予算の執行・配分のために多摩サ連顧問としてハンコを押しました。新入生歓迎行事のためのお金です。総額201.6万円のうち、多摩サ連には10.3万円が配分されます。ちょっと多摩の比率、少ないんじゃ?…と思いますが、とりあえず多摩サ連の会計係が、そのお金がどのように使われたかについては、記録して、公開する…ということなので、わたしもハンコをポン。この文章執筆時点で、その報告は2000年度予算の389万円の会計報告とともにまだ出されていません。会計係が帳簿の整理に悪戦苦闘で、もうちょっと、…だそうなので、楽しみに待ちましょう。

<でそうででない!>
多摩サ連の新しい本部役員候補がなかなか決まんないそうです。本部役員になっちゃうととにかく忙しくって、本来のサークル活動ができなくなっちゃう…例年、大学祭の実行委員まで兼務することになって、多摩祭だけじゃなく、市ヶ谷祭までやるはめになっちまう…一部の人がサークル活動できないようなサークル活動っておかしいんじゃない、…サークル連合としての組織のあり方を考え直して改革しよう、かんかん、がくがく、いろいろ議論しているのだそうです。

<土着、愚直でいこう!>
ぼくも1年間つきあってみて、こいつはたいへんだ、曲がり角だな、って思います。歴史的な市ヶ谷とのつながりが、むしろ多摩サ連の活動を多摩の学生全体から遠ざけてるんじゃないか。多摩で活動をするサークルの中でごく少数が加盟するだけになってしまった多摩サ連。多摩の学生たちに根づいて、自分たちの文化を創っていくために、もっとやるべきことがあるんじゃないか。…多摩のおやまにしっかり根づいて、独立自営、土着、愚直の山出しになった時、むしろ互いに自立して互いのプラスになれるような、市ヶ谷や小金井との新しいつながりができるんじゃないか。…その時、「代表なくして課税なし」というアメリカ独立以来の民主主義原則からみてなんとも奇妙な、学友会全体のかたちも変わってくるんじゃ…。

<I HAVE A DREAM…>
多摩キャンパスで、こんなお祭りができないかしら。大学を体験しにやってきた地域の人々を迎える学生や教職員でごったがえすオープン・キャンパスの1週間。…すべてのサークルの学生、講義やゼミの教員と学生が提供する体験講座。地元の安全な食材でつくったおいしい食事に酒…そしてうた、おどり、音楽、おしばい、美術、スポーツ…!


<こもんせんすのバックナンバーは、社会学部岡野内研究室のホームページでも見ることができます。>
社会学部教員 おかのうち ただし (ご意見ご感想をどうぞ⇒社会学部棟902研究室:otadashi@mt.tama.hosei.ac.jp)



多摩サークル連合の顧問を引き受けたお人よしが勝手に出すニュース?

Common Sense ―顧問扇子―  Vol.3 : 2001年1月10日


<おお、そうかい!>
昨年末12月18日の月曜日、多摩サークル連合の後期総会が開かれました。まぬけな私は、それを翌日の朝の立て看板で知りました。さっそく図書館の横の多摩サークル連合の部屋へ。「議案書 (案)」というのを見せてもらって、びっくり。だって、わかりやすくって、とっても簡潔。気品があって、あんまり すてきなので、みんなにみてほしくって、左頁におまけ資料としてのっけておきます。
(資料参照:施設問題関連資料は省略)[ホームページ版では添付資料省略]

<ふつうのことばだぜ!>
お金のこと。場所のこと。組織のこと。全学生のお金である学友会費を、正々堂々と、いつでも説明できるように責任をもって(accountability!)使いたい。そんな正義感と公正の精神(Justice as Fairness!)を基礎にして、サークル活動の場所を確保したいという自分たちの願いを実現させたい。そのためにも、自分たちの組織の現状を見直して、改善していこう。…そんな気持ちがひしひしと伝わってくるではありませんか。

<7時間の大討論>
昼の1時から夜8時まで。のべ7、80人くらいが7時間の大討論。ちょっと長いんじゃ…と思うけど、ともかく、そもそも学友会費の多摩への配分じたいが公正な額かどうか、音楽サークルの音出しは、図書館や授業の迷惑になってんじゃないか、なんてことも含めて、実にいろんな議論をしたそうです。近いうちに総会のようすも広報されるとか。待ち遠しいですよね。

<ふつうのひとの多摩サークル連合>
21世紀はふつうのことばをしゃべるふつうのひとが世の中を変える時代だとぼくは勝手に思っています。
…「エリート」活動家がかっこよく「指導」して「統一」、…なんて前世紀の スタイルではなくて、てんでの意見がばらばらでまとまんない団体のままでぐちゃぐちゃ動いていくこと。しかもそいつをさらけ出して自分たちのままで生きる勇気をもつこと。…そんな動きがこんな身近なところから。これから多摩キャンパスはおもしろくなるぜ、と、わくわくしています。

社会学部教員 おかのうち ただし(社会学部棟902研究室:otadashi@mt.tama.hosei.ac.jp)



Common Sense ―顧問扇子―  Vol.2 : 2000年9月28日


<ご意見、ご感想、ありがとうございました!>
7月14日発行の創刊号。同僚から「近頃珍しい性善説・・・がんばって」というメール、Trust No One(誰も信じちゃいけないよ)、でも、君を信じて殺されて、という情熱なくしてなんの人生ぞ、と思う私としてはまことにうれしい評論でした。 別の方から「正式に発足してないのに捺印するとはけしからん」という厳しいお叱りも。「雰囲気が楽しくっていいわね」「次号はまだですか」と言ってくれた職員の方、学生諸君。賛否両論叱咤激励、これからも、よろしく!

<多摩サークル連合の執行部正式発足>
7月末の総会でようやく正式に発足し、私がいっしょに捺印した暫定執行部が信任されたそうです。これでとりあえず、3人の学生と私とで学生全員が支払った学友会費のうち389万円をネコババ・山分けするのでは、という疑惑はひとまず晴れることになり、ひと安心。

<299万円のハンコ>
9月27日、私は、多摩サークル連合の本部予算として299万円を支払ってください、という書類に署名・捺印しました。これは全学の学友会費総額約8千万円から多摩サークル連合に配分される389万円の一部です。執行部学生によれば、本部予算299万円の半分は、年2回の本部主催合宿の費用、残り半分は、6月祭などの催しや本部の備品の費用に使うそうです。これまでは帳簿に混乱や不明朗なところがあったけども、今年は、帳簿を整理し、明確な会計報告をやり、もちろん公開します、ということばを信じて、ハンコを押しました。

<残りの90万円は?>
7月に予算請求した389万円マイナス今回の本部予算299万円は、90万円。これが多摩サークル連合加盟サークルへの分配金になるそうです。今年4月1日付け法政大学発行の「学生生活ハンドブック」35ページを見ると、多摩サークル連合加盟サークルとして21サークルの名前がそれぞれの顧問教員(職員)の名前とともに挙げられています。けれども、執行部学生によれば、現在の加盟サークルは8サークル、準加盟が1サークルといいます。もし9サークルで平等に分配すれば、1サークルに10万円の学友会費が還元されることに!

<6年間も支払われてないサークル分配金>
ところが、多摩サークル連合加盟サークルは、所属サークル員名簿を学友会費を徴収して預かる大学側に提出しないために、この6年間というもの、1銭も支払われていないそうです!執行部の学生によれば、サークル員名簿は、プライバシーなので、見せる必要はない、という意見などがこれまでは強かったからだそうです。

<サークル活動はプライベイトか?>
サークルが活動費にみんなのお金の配分を要求したとたん、そいつはパブリックなものになる。自腹の飲み会やデート、合コンとはわけがちがってくる。適当なことをいってみんなの金をふんだくっている、と言われないだけの証拠をそろえて見せなきゃだめだ。ぼくはそう思います。

<おれはいったいなにをやっているのだ?>
こう考えてくると、誰がやってるのかさえこれまで正確に公表してこなかった9サークルが加盟するだけの「サークル連合」の顧問を引き受け、ハンコを押してはしゃいでいる俺はいったい何を…という気になります。だって、Egg Domeで聞けば、サークルボックスには、32(うち加盟3)、サークルロッカーには40(うち加盟1)、合計68の非加盟サークルがひしめいているというのに!

<自分のお金、みんなのお金を取り戻そう!>
と私はいいたい。他人事ながら! だって悔しいでしょ。授業料といっしょに自分が払ったお金が、回りまわって、多摩サークル連合執行部の数人の学生のところにしかいかないんですもの。…(しかもその半分は合宿代で消えてるんだよ。いいのかな…。ま、他人事だけど。)…ついでながら、今の執行部の学生たちは、テメエのサークルなんて入れてやんないよ、なんてことを言うケチな野郎 じゃない、と私は信じています。ハイ。

おかのうち ただし 2000年9月28日(社会学部棟902研究室:otadashi@mt.tama.hosei.ac.jp)



Common Sense ―顧問扇子―  Vol.1 : 2000年7月14日


学生、教職員、市民のみなさん!
わたくし、法政大学社会学部教員岡野内 正は、2000年7月11日、多摩サークル連合(多摩サ連)の顧問なるものを引き受けることにしました。多摩サークル連合には、学生諸君(その保護者?)が授業料といっしょに大学に払い込む学友会費が配分されます。それは、全学で年8,000万円になります。体育会、学生団体連合、文化連盟、学生委員会、応援団などに配分され、多摩サークル連合への配分は、うち389万円になります。大学教員の顧問は、これらの学生団体の責任者といっしょに予算書に 署名・捺印をし、これらの学生団体が大学から予算の配分を受ける、というしくみになっているそうです。

驚きました。金額の大きさに驚きました。そして、責任の重さを感じています。ひとりひとりの学生が支払ったお金が公平に、公正に使われるように、見守り、助言していく義務がわたしにはあるにちがいありません。学生に対してだけでなく、次世代の人類の幸せとより良い社会を作るための教育と研究の機関を標榜して税金から巨額の助成金を受け取っている大学で働くものとして、それは市民に対する義務でもあるように思えます。

問題は、こんなにも身近なお金の流れについて、勤続十数年のわたしが何も知らなかったことです。それは私の周りの教職員や学生諸君についてもそうでした。みんなのお金に関する情報は、とことん公開すること。政府機関やNGOをはじめ、民主主義を標榜するあらゆる組織の腐敗と失敗の歴史の中から、そんな原則が引き出されてきたと思います。学友会費に関する情報は、もっと人々に伝えられるべきだ、と思います。

多摩サークル連合の責任者の学生たちは、いつもニコニコ、ガラス張りの明朗会計を約束してくれました。わたしは、自分たちが払った学友会費を公正なやりかたで取り戻して、サークル活動や、大学祭をやりたい、という、そんな学生たちの動きを応援したいと思います。

問題がひとつあります。7月11日現在では、多摩サークル連合の執行部は総会で選出されて正式に発足したものではありません。それにもかかわらず署名・捺印したのは、大学祭の準備のために急ぐ必要があり、また総会の予定日から夏休みにかけての時期にわたしが東京にいない予定だからです。総会が成立しない場合、あるいはわたしとともに署名・捺印した執行部の学生が信任されない場合、わたしは、責任をもって行動し、執行部学生3人とわたしとで389万円を山分けネコババしたと言われないようにするつもりです。

顧問の扇子であおぐ程度の風であっても、すこしは風を送りたい。 風通しをよくしたい。

ふつうのひとの良識(Common Sense)の風がぴゅうぴゅうと吹いて、――

めんどくせえこととはかかわりあいたくないな、という ぼくの中の怠惰のカビを吹き飛ばすように。自分のためとみんなのためになにかをしたいという学生たちの気持ちがしぼんでしまわないように。代表なくして課税なし、わけのわかんねえ金なんぞびた一文だって払うもんか、という民主主義思想の先人たちの叫びが、がんがんと世界中に響き渡るように。

どうせ全部は生きられない21世紀を少しでも気持ちのいいものにするために、こんなニュースを出していこうと思っています。

ご意見、ご感想をおよせください。 おかのうち ただし 2000年7月14日(社会学部棟902研究室:otadashi@mt.tama.hosei.ac.jp)