多摩サークル連合の顧問を引き受けたお人よしが勝手に出すニュース?

Common Sense ―顧問扇子―  Vol.5 : 2003年7月23日



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<温泉旅館で豪遊?>
あー、ええ湯や!…露天風呂につかってサークルの学生や市ヶ谷からの「招請」(市ヶ谷のサークル関係団体代表の招待客のことをこう呼ぶ)の学生と、昼間は眩しかった緑が今は黒々と目を遮る谷間の闇から、酔眼で天の川を眺める。「これだけ食って飲んで、全部タダ。…うれしいけど、みんなの学友会費から出てると思えば、なんかやっぱ、変すね。」「うん。ぼくもタダで参加しちゃってるけど。」「普通のゼミやサークルの合宿でこんな高級旅館、使わないすね。自分の金じゃあね…。」「そうね。みんなの金と補助金で飲んで。顧問の俺もつるんで。…日本の政治の縮図やな。」―昨年夏のことです。

<2.5万円かける30人=70万円>
2泊3日、キャンパスからの送迎バスつき温泉旅館合宿がひとり2.5万円とすれば、30人参加で70万円。…ただし、GLC(Group Leaders Camp;多摩サークル連合の合宿の正式名称)参加諸君の名誉のために付け加えれば、初日いきなり多摩サークル連合の活動報告、各サークルの活動報告から始まり、2日目は朝から分科会での討論、夕方から夜の全体会討論。市ヶ谷からの報告やコメントも入り、多摩のサークル活動をこれからどうするか、まじめに議論。飲み始めるのはいつも深夜。ゼミ合宿でみっちり勉強した気分。

<みんなの多摩サ連?>
年2回の合宿で140万円の出費。それは、全学生が授業料と共に支払う学友会費の使い道として妥当なものだろうか。学友会費は、全学で8,800万円(2003年度)。多摩サ連にはそこから441万円が配分される。かんかんがくがくの議論の末、昨年度の冬のGLCは格安のセミナーハウスを使って節約。年間で100万円ほどへと、合宿費が押さえられた。その分、加盟サークル配分金や学生有志によるキャンパス活性化のイベントに資金が割り当てられることになった。

<サークルしてますか?>
この夏、GLCは再び温泉旅館だという。みんなの学友会費をあずかるのは大変だ。図書館脇の音楽サークルは部室を明け渡してエッグに移れにという学生部といろいろ交渉もしなければならぬ。大学祭の実行委員も出して成功させねばならぬ。たまたま入ったサークルが多摩サ連加盟だったばかりに、とんでもない大仕事。温泉旅館くらいいかしてもらわなくっちゃ、やってられねえ。…みんなの学友会費をみんなで使おう、という議論とともに、役員たちのそんな叫びが聞こえてきそうな。…

<課税ばかりで代表なし>
多摩サ連加盟は10サークル、300人(以下、1サークル30人として計算)。ほど。一方エッグドームには、主に未加盟のBoxを使う50サークル、ロッカーのみ使用の38サークル、合計88サークル、約2,640人。ちなみに多摩キャンパスに通う学生は8,500人。・・・エッグをまったく使っていないサークルを除いても、全94サークル2,820人(全多摩生の33%)のうち、多摩サ連加盟は、10サークル300人、11%にすぎない。それは、全多摩生のうちでは、4%。もっとも学友会費の配分を受ける体育会と市ヶ谷の公認サークルで活動する多摩生を推定860人(合計10%)とすれば、多摩サ連学生300人(4%)と合わせて多摩生の17%(1360人)は、学友会費を使っているが、残りの86%(7,340人)は、学友会費を払うだけの人たち、ということになる。(下表参照)

―――― サークル数人数全多摩生の%
多摩サークル連合加盟サークル 10300114
非加盟サークル 842,5208930
多摩のサークル 計 942,82010033
体育会の中での多摩の学生数 ――560――7
市ヶ谷の公認サークルに参加する多摩の学生数 ――300――4
サークル・部活に参加しない多摩の学生数 ――4,820――57
多摩キャンパスの全学生数 ――8,500――100
学友会費の分配にあずからない多摩の学生数 ――7,340――86

<日本の縮図?>
表をみてよーく考えよう。どうしてこうなったのか。これでいいのか。どうすればいいのか。ここを変えることは、世の中を変える第1歩かも。
楽しいね!

♪♪♪  ♪♪♪ ♪♪♪  ♪♪♪ 社会学部教員 おかのうち ただし

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