研究業績





■研究関心

[1]ナショナリズムと国家の比較歴史社会学
 ナショナリズムと国家とは、私にとっては別個の現象です。ナショナリズムとネーションは人間の帰属やアイデンティティにかかわる社会文化的現象であるのに対し、国家は領域や人間を統治する政治経済的組織化の現象である。しかしこの二つは不可分に結びついています。私の関心はナショナリズムと国家が、どのようにつくられ、どのように変化してきたのか。どのように維持され、どのような作用を果たすのか。今後、どのように変化していくのか。それぞれのナショナリズムや国家がどのように違うのかなど、幅の広いものです。10年以上前から、特にドイツのケースにこだわってきました。それはひとえに、ドイツのナショナリズムや国家はダイナミックな変化に富み(領土の変わり方一つとっても、劇的に変化してきました)、とても面白いからです。
 「国家」に関しては、「社会学理論」の授業で教えていた国家の社会学の内容を一冊の本にまとめ、2014年12月、『国家の社会学』というシンプルなタイトルで、青弓社さんから出版しました。300ページくらいの量で、大学・大学院生の教科書、研究者にとっての国家の社会学的な概説書を意図しています。その後、日本をフィールドとした「国家の社会学」を考えていて、欧米の社会学による国家論がどの程度日本の事例に適合するのかどうかを確かめてみたいと思っています。ただ、日本の歴史を語る際の「国家」の概念が、社会学・社会科学で用いられている「国家」の概念とかなり異質なので、その辺が苦労するところです。
 「ネーション」に関してはまだ一般的・理論的な考察をまとめていません。しかし、この問題に関しては下の[3]で扱っている「文化社会学」のレベルで考えています。ネーションという概念ないしカテゴリーがどのように形成され、またどのように用いられいるのかを、その政治的・社会的文脈の中で明らかにしていこうというものです。


[2]ドイツの移民統合と国民的自己理解
 以前は戦後ドイツの東方領土問題とドイツの国民的自己理解との関係をテーマとしていました。その成果は『ナショナル・アイデンティティと領土 ―戦後ドイツの東方国境をめぐる論争』(2008)として出版しました。その後私は、戦後ドイツの移民と、ドイツ社会における国民的自己理解の変化の関連を調べています。終戦直後は中東欧からの被追放者、1960年代からはユーゴスラビアやトルコからの「ガストアルバイター」、1980年代以降は難民と、戦後のドイツは増減はあれ今日まで継続して移民を受け入れてきました。特にトルコ系移民は1970年代以降、家族の呼び寄せによってさらに増大し、しかもドイツ社会に定住していきました。また、中東やアフリカらの難民も数多く受け入れています。ドイツ社会がこれらの非ヨーロッパ系移民を編入し、統合していくことで、ドイツの国民的自己理解(アイデンティティ)はどのように変化していくのか、というのがテーマです。かつての「血統共同体」としてのドイツ人という自己理解(「エスノ文化的」なネーション理解)はもはや成り立ちえなくなってしまいました。ではいったい「ドイツ」とは何なのか。そのようなアイデンティティの問いかけの経緯を、移民統合政策をめぐる様々な言論を手掛かりに追っています。現在、戦争直後から現在に至るまでの、ドイツの移民政策・移民統合政策とドイツ社会の自己理解の関係を包括的に分析する研究に取り組んでいます。
 特に注目しているのはドイツの国籍法や国籍政策です。ドイツにおいて国籍の法制化が始まったのは19世紀初頭、ナポレオン支配の時代です。その当時は「ドイツ」全体の国籍はなく、ドイツ諸邦の「国家籍」でした。それが1871年ドイツ統一により「ドイツ帝国籍」が創設されました。1913年に純然血統原理による国籍法に改定それが1999年まで用いられることになります。その後国籍法は出生地原理を取り入られたものに改定され現在に至っています。この国籍法の歴史を、ドイツにおける国家(国民国家)の形成と変容との関係で明らかにすることが現在の中心的なテーマです。ブルーベイカーはドイツの国籍形成を、ドイツの「エスノ文化的」なネーション理解と結びつけて議論していますが、それがどの程度妥当なのかが一つのポイントになります。この研究の成果として、2023年に刊行した『国民とは誰のことか ドイツ近現代における国籍法の形成と展開』があります。
 その他、最近は右翼的な排外主義の動向にも興味をもつようになりました。これをヨーロッパ全体における「極右ポピュリズム」の台頭という文脈の中で見ています。「右翼ポピュリズム」の台頭を、「国民国家の機能不全」という視点から考えてみようと思っています。
 私自身、とても「ドイツの専門家」であると名乗れるほどの訓練を受けているわけでもないのですが、最近ドイツ研究の方々から仕事を頼まれることが多くなりました。ありがたいことです。自分の勉強にもなりますので、できうる限りのことをやっています。


[3]文化社会学の理論
 社会学理論は、私のホームグラウンドであり、研究者としてのアイデンティティもここにあります。本学部での私の中心となる講義も「社会学理論」です。最近は「文化社会学」という領域の理論について色々と探求しています。「文化」とは我々にとっての世界の意味理解についての枠組みといった意味で、日常的に言う意味での「文化」とは少し違います。我々の認識や判断の前提を問うところから、社会現象にアプローチするという理論と考えてください。詳しくは私の「文化社会学の課題」という論文(2010)を見てください。これは2009〜2011年のドイツにおける在外研究の成果です。また、「文化」の問題を行為者の「認知」のレベルで考察することを考えています。これはブルーベイカーの「認知的視座」に基づくものです。


[4]歴史社会学の分析方法
 ここではアメリカの「歴史社会学」のことを指します。歴史社会学は1970年代末頃、近代化論やマルクス主義など、歴史の変動を説明する「理論」の有効性が根本的に疑われるようになった結果出てきた、新しい歴史変動分析の方法のことです。歴史の発展に関する一般理論を目指すのではなく、歴史的変化は不確定(コンティンジエント)であるという前提から出発し、その複合的な因果関係を明らかにしようというものです。最近、時間と因果関係をめぐる歴史社会学の方法論がかなり精緻化されてきました。留学時代、その方面の論文もだいぶ読まされたのですが、難しくてよくわからないままに放置してあります。特にAndrew Abbottの議論などは重要だろうと思われます。いずれ、あらためて勉強しなおしたいと考えています。


[5]社会学理論の歴史
 私は社会学の研究者として、タルコット・パーソンズの社会学理論研究から出発しています。よって社会学理論の学説研究は私自身のベースにあるものです。現在私は、社会学理論の歴史を欧米の近代史との関連で包括的に整理することを考えていますが、まだその作業を具体化していません。今後の課題です。


■主な著作・研究論文等

【著作】
『国民とは誰のことか ――ドイツ近現代における国籍法の形成と展開』花伝社、2023年

『国家の社会学』青弓社、2014年


『ナショナル・アイデンティティと領土――戦後ドイツの東方国境をめぐる論争』 新曜社、2008年


【編著】
『包摂・共生の政治か、排除の政治か ――移民・難民と向き合うヨーロッパ』(宮島喬との共編)明石書店、2019年

『国際社会学』(宮島喬、小ケ谷千穂との共編)有斐閣、2015年

『ナショナリズムとトランスナショナリズム――変容する公共圏』法政大学出版局、2009年

【論文】
「国家の正当性と象徴暴力 ―ブルデューの国家論からみる国家とナショナリズム」北田暁大・筒井淳也編『岩波講座社会学 第1巻 理論と方法』(岩波書店、2023年)

「学説史を通じて「社会学」を問う ?大会シンポジウムによせて―」『社会学史研究』45号、2023年

「ドイツの複数国籍――「現実」と「原則」の乖離」佐々木てる編『複数国籍 日本の社会・制度的課題と世界の動向』(明石書店、2022年)

「ヴァイマル共和政期のドイツの国籍―国籍の「エスニック化」とその限界」『社会志林』第69巻、第3号、2022年、31‐64頁

「タルコット・パーソンズのモダニティ論 ―「パターン変数」図式を手掛かりにして」『社会学論叢』(日本大学社会学会)No. 202,2022年、1−24頁

「ドイツ最初の国籍法の成立過程(2) ―ドイツの国籍法と「エスニック」なネーション概念との関係を再考する」『社会志林』第68巻、第4号、2022年

ドイツ最初の国籍法の成立過程(1) ―ドイツの国籍法と「エスニック」なネーション概念との関係を再考する―」『社会志林』第68巻、第3号、2021年、93‐143頁

「戦争と国家 ―総力戦が生み出した強力でリベラルな国民国家」蘭信三ほか編『シリーズ戦争と社会 「戦争と社会」という問い』(岩波書店、2021)67‐90頁(第3章)

"Modernity, postmodernity, and late modernity: A review of sociological theories in contemporary Japan," International Sociology, Number 36, Issue 2 (Marach) 2021, pp.148-159.

「行為論から見た国家 −ヴェーバー『社会学の根本概念』から国家を考える」中村文哉・鈴木健之『行為論からみる国家 −危機の時代への問いかけ』(晃洋書房、2020年)

「ドイツの重国籍制度 −「現実」と「原則」の乖離−」学術振興会科学研究費 基盤研究(B)研究成果報告書『重国籍制度および重国籍者に関する学際的研究』(研究代表 佐々木てる)(研究課題番号 18H00940)2020年3月31日

「重国籍に抵抗するドイツ −「国民の自己理解」との関係からみた文化社会学的考察―」『社会志林』第66巻第4号、2020年、29−74頁

「AfD(ドイツのための選択肢)の台頭と新たな政治空間の形成」宮島喬・佐藤成基編『包摂・共生の政治か、排除の政治か――移民・難民と向き合るヨーロッパ』明石書店、2019年

「国籍・シティズンシップ −出生地主義の導入は可能か」高谷幸編『移民政策とは何か 日本の現実から考える』人文書院、2019年

「グローバル化のなかの右翼ポピュリズム −ドイツAfDの事例を中心に―」『社会志林』第65巻、第2号、2018年、95−115頁

「なぜ「イスラム化」に反対するのか――ドイツにおける排外主義の論理と心理」、樽本英樹編著『排外主義の国際比較―先進諸国における外国人移民の実態』ミネルヴァ書房、2018年

「ドイツ人の「追放」、日本人の「引揚げ」 ――その戦後における語られ方をめぐって――」『立命館言語文化研究』29巻3号(2018年)

「カテゴリーとしての人種、エスニシティ、ネーション −ロジャース・ブルーベイカーの認知的アプローチについて−」『社会志林』第64巻、第1号、2017年

「国民国家と外国人の権利 −戦後ドイツの外国人政策から」
『社会志林』第63巻第4号、2017年

「グローバル化する世界において「ネーション」を再考する――ロジャース・ブルーベイカーのネーション中心的アプローチについて」(佐藤成基・高橋誠一・岩城邦義・吉田公記編訳)明石書店、2016年、303−341頁

「テクスト解釈学と文化社会学 ――「行為をテクストとみなす」という方法をめぐって」、鹿島徹・越門勝彦・川口茂雄編『リクール読本』 法政大学出版局、2016年、191‐199頁

「「ドイツ人」概念の変容 ――「○○系ドイツ人」から考える」、駒井洋監修・佐々木てる編集『移民・ディアスポラ研究5 マルチ・エスニック・ジャパニーズ ○○系日本人の変革力』 明石書店、2016年、42−69頁

「国民国家とシティズンシップの変容」、佐藤成基・宮島喬・小ケ谷千穂編著 『国際社会学』有斐閣、2015年、第1章

「移民政策」、西田慎・近藤正基編『現代ドイツ政治 ――統一後の20年』 ミネルヴァ書房、2014年、293−320頁

"Territorial disputes and national identity in postwar Germany: The Oder-Neisse line in public discourse", European Journal of Cultural and Political Sociology, Vol.1, No.2, 2014, pp.158-179.

「領土と国益 ――ドイツ東方国境紛争から日本を展望する」『ドイツ研究』第48号(2014)、8-28頁

「ドイツの排外主義 ――「右翼のノーマル化」のなかで」、小林真生編『移民・ディアスポラ研究3 レイシズムと外国人嫌悪』 明石書店、2013年

"Restrisiko: Fukushima in Deutschland", in Kay Junge, Werner Binder, Marco Gerster und Kim-Claude Meyer (Hg.), Kippfiguren. Ambivalenz in Bewegung (Velbruck Wissenschaft, 2013)

「「統合の国」ドイツの統合論争 −変化するドイツ社会の自己理解−」『社会志林』第57巻第4号(2011)、173-205頁

「文化社会学の課題 −社会の文化理論へ向けて』『社会志林』第56巻第4号(2010)、93-126頁

「国民国家と移民の統合 −欧米先進諸国における新たな「ネーション・ビルディング」の模索」『社会学評論』第63巻第3号(2009)、348-362頁

「国家/社会/ネーション――方法論的ナショナリズムを超えて」佐藤成基編『ナショナリズムとトランスナショナリズム――変容する公共圏」法政大学出版局、2009年、第1章

「ナショナリズムの理論史」 大澤真幸・姜尚中編『ナショナリズム論・入門』有斐閣、2009年、39-62頁

「「血統共同体」からの決別―ドイツの国籍法改正と政治的公共圏」『社会志林』2009年、第55巻、第4号

「国境を越える「民族」――アウスジードラー問題の歴史的経緯」『社会志林』2007年、第54巻、第1号

「国家の檻 ――マイケル・マンの国家論に関する若干の考察」『社会志林』2006年、第53巻、第2号

「国民国家の社会理論――「国家」と「社会」の視点から」 富永健一編『理論社会学の可能性――客観主義から主観主義まで』 新曜社、2006年

「多元主義と「シヴィック・ネーション」―-パーソンズ理論における国民統合とエスニシティ」 富永健一編『パーソンズ・ルネッサンスへの招待』 勁草書房 2004年

「国民国家とは何か」『茨城大学政経学会雑誌』第74号、28-43頁、2004年

「忘れられた領土――東方領土問題と戦後ドイツのナショナル・アイデンティティ」『茨城大学人文学部紀要(社会科学科論集)』第37号、1-50頁、2002年

「ナショナリズムとファシズム ―歴史社会学的考察―」『ソシオロジ』 第46巻、3号、31-53頁、2002年

「タルコット・パーソンズの市民社会像――パーソンズ理論における「社会共同体」概念と近代 ――」『茨城大学政経学会雑誌』第71号、2001年、55-72頁

「ナショナリズムのダイナミックス」『社会学評論』201号(第51巻, 第1号),2000年,37-53頁

「プロト・ネーションと王国――ドイツと日本におけるネーション形成の前近代的基礎をめぐる一考察」『茨城大学政経学会雑誌』第69号,2000年,39-58頁

「国家・市民社会・ネーション――ドイツ、日本における国民国家形成における「上からの革命」テーゼをめぐって」『茨城大学人文学部紀要 社会科学科論集』No.33,2000年,41-66頁

「「国家」と「民族」――ドイツと日本におけるネーション概念の形成と変容をめぐる比較歴史社会学的分析」『茨城大学人文学部紀要 社会科学論集』No.32、1999年

「マックス・ウェーバーとネーション」『ソシオロジ』(社会学研究会・京都)1998年、133号、51-65頁

「「ポスト・モダン」とパーソンズ――「リバイバル」以後のパーソンズ理論」『社会学研究』(東北社会学研究)1998年、第65号、103-127頁

The Politics of Nationhood in Germany and Japan (Ph.D. dissertation, University of California, Los Angeles), 1998, 564pp.

「ネーション・ナショナリズム・エスニシティ ―― 歴史社会学的考察 ――」 『思想』(岩波書店) 1995年8月号、103-127頁

「象徴闘争の市場メカニズム」 厚東洋輔・今田高俊・友枝敏雄編 『社会学理論の新領域(フロンティア)』 (東京大学出版会)、 1993年 所収、55-75頁

「秩序問題と再生産論」『社会学評論』 (日本社会学会) 163号、 1990年、277-290頁

「パーソンズ理論とポスト・パーソンズの諸理論――多次元的総合に向けて−」『社会学史研究』 (日本社会学史学会) 第12号、1990年、19-32頁


【・辞典等(分担執筆)】
「ドイツの国境問題」『ドイツ文化事典』(石田勇治ほか編集、丸善出版、2020年)

「マイノリティ・ナショナリズム」「ナショナリズムと戦争/紛争」『現代地政学事典』(丸善出版、2020年)
 
「カルチュラル・ソシオロジー」「社会構造と社会変動」日本社会学会 理論応用事典編集委員会編『社会学理論応用事典』(丸善出版、2017年)

「パターン変数図式」「構造と機能」 友枝敏雄・浜日出夫・山田真茂留編『社会学の力 最重要概念・命題集』(有斐閣、2017年)→2023年改訂版

「連邦制」(項目)、「EUのなかのドイツ」(コラム) 宮田眞治・畠山寛・濱中春編『ドイツ文化55のキーワード』(ミネルヴァ書房、2015年)

「タルコット・パーソンズ、」「ニール・スメルサー」大澤真幸・吉見俊哉・鷲田清一・見田宗介編『現代社会学事典』(弘文堂、2012年)

「シンボルと大衆ナショナリズム ――ジョージ・L・モッセ『英霊』」 野上元・福間良明編『戦争社会学ブックガイド 現代世界を読み解く132冊』(ナカニシヤ書房、2012)、53−57頁

「タルコット・パーソンズ」 宇都宮京子編『よくわかる社会学』(ミネルヴァ書房、2006)、210-211頁

「ハンス・コーン『ナショナリズムの思想』」
「E.H.カー『ナショナリズムとそれ以後』」」
「リーア・グリーンフェルド『ナショナリズム』」
「ウォーカー・コナー『エスノナショナリズム』」
大澤真幸編「『ナショナリズムの名著50』(平凡社、2002、総頁574頁) 分担箇所76-100、406-419、450-461頁


【その他の小文】
"The nihonjinron as daily practices: Yoshino's "bottom-up" approache to nationalism", Nations and Nationalism 25 (4) 2019.

ドイツの右翼化勢力が敵視する〈68年世代〉リベラルとは何か」『現代ビジネス』(講談社)2018年10月13日

「難民受け入れ国としてのドイツ」『Migrants Network』(183号、2015年)、28−29頁

"From 'Non-Immigration Country' to 'Country of Integration': Transformation of Integration Discourse in Germany", Akira Tokuyasu, Makoto Kobayashi, and Mototaka Mori, eds., Life Course and Life Style in Comparison. (Proceedings of the 11th Meeting of the German-Japanese Society for Social Sciences, October 7-9, 2010, Hosei University, Tokyo), 2013.


【翻訳】
ロジャース・ブルーベイカー『グローバル化する世界と「帰属の政治」 移民・シティズンシップ・国民国家』(明石書店、2016年)(高橋誠一・岩城邦義・吉田公記との共編訳)


ロジャース・ブルーベイカー『フランスとドイツの国籍とネーション――国籍形成の比較歴史社会学』 明石書店、2005(佐々木てるとの共訳) (「監訳者解説」

タルコット・パーソンズ『宗教の社会学』 勁草書房、2002年(共訳


【書評】
蘭信三・川喜田敦子・松浦雄介編『引揚・追放・残留 戦後国際民族移動の比較研究』(名古屋大学出版会,2019年)『現代史研究』67巻(2022年), 87-94頁

明石純一『人の国際移動は管理さうるのか ――移民をめぐる秩序形成とガバナンス構築』(ミネルヴァ書房、2020年)『移民政策研究』Vol.13(2021年5月)

将基面貴巳著『愛国の構造』(岩波書店、2019年)『公明新聞』(2020年2月17日)

高橋秀寿著『時間/空間の戦後ドイツ史――いかに「ひとつの国民」は形成されたのか』(ミネルヴァ書房、2018年)『歴史学研究』(歴史学研究会編集)No.987(2019.9)

新倉貴仁著『「能率」の共同体 ――近代日本のミドルクラスとナショナリズム』 『大原社会問題研究所雑誌』714号(2018年)

Akiko Hashimoto, The Long Defeat: Cultural Trauma, Memory, and Identity in Japan (Oxford: Oxford University Press, 2015)
, International Journal of Japanese Sociology, vol.27 (2018)

坂下雅一著『「沖縄県民」の起源 戦後沖縄型ナショナル・アイデンティティの形成過程 1945−1956』(有信堂、2017年)『琉球新報』2017年3月24日

昔農英明『「移民国家ドイツ」の難民庇護政策』(慶応大学出版会、2014年)『社会学評論』Vol.66,No.2(2015年)

近藤潤三『ドイツ移民問題の現代史――移民国への道程』(木鐸社、2013年)『ゲシヒテ(ドイツ現代史研究会)』第8号、2015年)

樋口陽一『加藤周一と丸山眞男 日本近代の〈知〉と〈個人〉」(平凡社)』『公明新聞』2015年4月13日

国民国家への挑戦(書評対象書:樽本英樹著『国際移民と市民権ガバナンス――日英比較の国際社会学』ミネルヴァ書房、2012年)『現代社会学理論研究』第8号、2014年

丹野清人『国境の境界を考える』『図書新聞』第3126号(2013年9月14日

「「異常さ」から見た現実構成――文化社会学のパースペクティブ」(書評対象書:Bernhard Giesen, ZwischenLagen: Das Außerordentliche als Grund der sozialen Wirklichkeit. Velbrück Wissenschaft, 2010)『現代社会学理論研究』第6号、2012年

「「在日コリアン」から「コリア系日本人」へ(佐々木てる監修・在日コリアンの日本国籍取得権確立協議会編『在日コリアンに権利としての日本国籍を』)」『年報筑波社会学[第U期]』創刊号、2006年

「多文化時代のマックス・ヴェーバー−矢野善郎著『マックス・ヴェーバーの方法論的合理主義』を読んで」『創文』、2004年、No.464

油井清光『パーソンズと社会理論の現在』『ソシオロジ』148号、2003年

阿部潔著『彷徨えるナショナリズム』『社会学評論』208号、2002年

吉野耕作著『文化ナショナリズムの社会学』『社会学評論』196号、1999年

「書評論文:William Buxton, Talcott Parsons and the Capitalist Nation-State: Political Sociology as a Strategic Vocation, Toronto: University of Toronto Press, 1985」『理論と方法』(数理社会学会)Vol. 6、1989年、93-100頁


【座談会】
「出生地主義の拡大と複数国籍の承認について考える」(柳赫秀、殷勇基、遠藤正敬、佐々木てる、佐藤成基)『エトランデュテ』第3号(2020年、在日法律家協会会報、博英社刊)、5−54頁





■外部資金受託

日本学術振興会科研費 基盤(B)(分担)
複数国籍者の生活世界からみる「日本人」概念の変容
研究期間:2024年4月〜2027年3月

日本学術振興会科研費 基盤(C)(代表)
「移民の国」ドイツのナショナル・アイデンティティ
研究期間:2021年4月〜2023年3月(予定)

日本学術振興会科研費 基盤(C)(代表)
ドイツの国籍政策と国民的自己理解の変容 −国籍法改定後の20年間―
研究期間:2018年4月〜2020年3月(予定)


日本学術振興会科研費 基盤(B)(分担)
社会的境界研究の構築と移民トランスナショナリズム研究への応用(代表:樽本英樹)
研究期間:2017年4月〜2019年3月(予定)

日本学術振興会科研費 基盤(B)(分担)
重国籍制度および重国籍者に関する学際的研究(代表:佐々木てる)
研究期間:2017年4月〜2019年3月

日本学術振興会科研費 基盤(C)(代表)
「移民国」ドイツの排外主義 −グローバル化のなかの国民国家−
研究期間:2015年4月〜2017年3月

日本学術振興会科学研究費 基盤(A)(分担)
公共圏を基盤にしてのサステナブルな社会の形成(代表::舩橋 晴俊)
研究期間(分担者として):2013年3月〜2014年8月(途中終了)

日本学術振興会科学研究費 基盤(C)(代表)
ドイツの移民統合と国民的自己理解の変容
研究期間 : 2011年4月28日〜2014年3月31日

日本学術振興会科学研究費 基盤(A)(分担)
公共圏の創成と規範理論の探究-現代的社会問題の実証的研究を通して (代表:舩橋 晴俊)
研究期間 : 2007年度〜2010年度

日本学術振興会科学研究費 基盤(C)(代表)
ドイツ国籍法改正とナショナル・アイデンティティ
研究期間 : 2006年度〜2008年度

日本学術振興会科学研究費 基盤(C)(代表)
東方領土問題と戦後ドイツのナショナル・アイデンティティ
研究期間 : 2003年度〜2005年度

日本学術振興会科学研究費 基盤(B)(分担)
パーソンズ理論の体系的再評価にもとづく現代社会論の構築 (代表:富永 健一 → 徳安 彰)研究期間 : 2002年度〜2003年度


日本学術振興会 奨励研究(A)(代表)
「東方領土」問題と戦後ドイツのナショナリズム
研究期間 : 2000年度〜2001年度




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